モノリシック マニュファクチュール スペシャルコンテンツ

INNOVATION

モノリシック開発


“世界初”「スリムライン モノリシック
マニュファクチュール」40Hz 登場
ー機械式時計の調速原理を再定義ー

このページでは、“世界初”毎時288,000振動/40 Hzの高振動、小型化に成功したシリコン製モノリシックオシレーターの開発に至った経緯、シリコンオシレーターの利点や特長について掘り下げて紹介します。

MATERIAL OF OSCILLATOR : FEATURES OF SILICON

オシレーターの素材:単結晶シリコンの特長

オシレーターの素材に単結晶シリコンを使用することで、従来のスプラングテンプに見られた主なウィークポイントを回避することが可能になりました。
単結晶シリコンは、100%耐磁性で、温度変化に強く、また重力の影響を受けにくいという特性があります。超薄型で小型に成型された1枚のシリコンのため、従来の調速・脱進機と比較すると4分の1の軽さです。300μm(0.3mm)の薄さと直径は10㎜以下のサイズです。
また、部品を組み立てる構造ではないため、摩擦や摩耗の発生が抑制されます。その結果、駆動に必要な動力も少なくてすみます。さらに、シリコンは潤滑油を必要としないため、脱進機の長期的な信頼性を高めることができるのです。

REPLACING 26 COMPONENTS BY 1 PIECE

26個のパーツを1枚のシリコンオシレーターに置き換え

標準的な調整・脱進機の26個のパーツの代わりに、2つの調整用重りを備えたモノリシック(1枚)のシリコン製オシレーターを用いました。
モノリシックオシレーターは調速機とガンギ車を除く脱進機を単結晶シリコンで一体成形し、それ自体を発振することで高振動を可能にしました。脱進機のアンクルも組み込み、従来のテンプに相当する機能も1枚のシリコンに収められています。時計の遅れや進みを調整するには、オシレーターの上の2つの調整用重りを動かします。
精度は従来の測定器で測定することができず、レーザー照射を利用した測定器を開発しました。開発した測定器は1秒間に25万回の動きを計測し精度測定をしています。
従来の時計の振幅は約300度であるのに対し、このオシレーターはわずか6度です。この小さな振幅は振動数を上げる事となり、通常の4Hzから10倍の40Hzに、1時間あたりの振動数は28,000振動ではなく288,000振動となりました。

THE 30TH MOVEMENT
FROM FREDERIQUE CONSTANT'S MANUFACTURE

30番目のムーブメント フレデリック・コンスタントのマニュファクチュール

開発を始めてすぐ、従来の輪列機構で40Hzのハイスピードに対応できないことがわかりました。そこで、新しいシリコンオシレーターのスピードに対応できる、全く新しいベースムーブメント、自動巻きキャリバーFC-810を開発しました。
輪列機構を再設計する必要があり、歯車列は香箱とガンギ車の間に、従来の3つの歯車ではなく4つの歯車を配置しました。歯車を追加した事で、40Hzの高振動にもかかわらず、80時間のパワーリザーブを実現できました。

SECOND HAND MOVING
80 STEPS/SECOND

滑らかな秒針(80回/秒)

通常の機械式時計は1時間に28,800回振動しており、秒針が1秒間に8回動くことになります。FC-810では秒針が1秒間に80回動いていることになります。
この秒針の動きはとても細かくなめらかです。

COLLABORATION

フレクサス社とのコラボレーション

モノリシックオシレーター開発のアイディアは今から3年前、Flexous社の創立者兼CEOニマ・トルー博士と、フレデリック・コンスタントの共同設立者でCEOを務めたピーター・スタースの出会いにより始まりました。
「YES!Delft」社の支部であるフレクサス社はイノベーティブなタイムピーステクノロジーを扱う独立系企業で、時計のフレキシブルなメカニズムの技術スペシャリストです。
フレデリック・コンスタント社とフレクサス社の様々な分野の高い専門知識が集結したチームが共同開発を行いました。当初から、その技術的なゴールは明確に設定されました。すなわち、「従来のテンプに相当するサイズ」、「可能な限り高振動」、「80時間パワーリザーブ」、「リーズナブルな価格で、大量生産が可能なコストパフォーマンスの高い設計」であることが求められたのです。
こうして、独自の設計や成形など、様々なプロセスを経て最終的に商品化することが出来ました。

<PRODUCT FEATURES モノリシックの特長> では
モノリシックの製品特長についてご紹介しています。