モノリシック マニュファクチュール スペシャルコンテンツ

FREDERIQUE CONSTANT MANUFACTURE

「フレデリック・コンスタントのマニュファクチュールへの挑戦」

「マニュファクチュール」という言葉は
時計業界において特別な意味を持ちます。
機械式ムーブメントから
自社で開発・製造するブランドのみが
名乗ることを許されます。
1988年に誕生した
フレデリック・コンスタントは
創業わずか16年目の2004年、
マニュファクチュールの仲間入りを
果たしました。
その背景にはブランドの理念を
実現するための飽くなき
情熱と挑戦がありました。

  • 創業者のピーター・スタースと妻アレッタ・スタース。高品質なスイス高級時計を手の届く価格帯で提供したいという強い想いでフレデリック・コンスタントを創業。

    多くの人に素晴らしいスイス時計を楽しんでもらいたい

    1988年、スイス・トアネに創業したフレデリック・コンスタントは「スイスの高品質な腕時計を、手の届く価格で多くの人に楽しんでもらいたい」というピーター・スタースと、その妻アレッタの情熱から誕生しました。

    ピーターとアレッタがまだ若いビジネスパーソンだった30歳の頃、ジュネーブの時計店を見て歩いたとき、スイス製のクラシカルな素晴らしい時計の数々に魅了されました。ただとても高価で手が届かない。それなら、自分たちで手の届く価格のスイス製時計を作り、より多くの人に楽しんでもらいたいと思いからブランドを立ち上げました。
    「手の届くラグジュアリー」。この理念が創業から現在まで貫く変わらぬ時計作りのベースにあります。

    今年で創業31年目という時計業界では若いブランドでありながら、マニュファクチュールとして多くの複雑式時計を開発・製造しています。それらはトゥールビヨン、パーペチュアルカレンダー、フライバッククロノグラフなど多岐にわたります。
    今年のバーゼルワールドでは29番目の自社開発ムーブメントを発表しました。

  • 時計の組み立てはスイス・ジュネーブにある自社工場で行われている。

    なぜマニュファクチュール化を進めるのか?

    自社一貫製造を実現するためには、ムーブメントや部品類を自社開発できる技術力や、生産ラインを維持する資本力が必要であり、実際にマニュファクチュールと名乗れる時計ブランドはスイス時計界でも一部の名門など数えるほどしかなく「別格的存在」と位置づけられています。

    フレデリック・コンスタントのような若い時計ブランドがマニュファクチュールブランドになることは非常に難しいことなのです。

  • 緻密な設計のもとで、数多くのフレデリック・コンスタント製品が生み出されている。

    では、なぜフレデリック・コンスタントはマニュファクチュール化を推し進めてきたか?すべては「手の届くラグジュアリー」というブランド理念を実現するためです。

    一般的な時計ブランドは基本コンセプトやデザインを決定すると、あとは部品を外部に発注し、それを仕入れて組み立てます。汎用ムーブメントは機能、針の位置、サイズが決まっているので、デザインや機能は大きな制約に縛られます。
    しかし、自社でムーブメントを開発・製造すれば、コンセプト作りから自由に発想でき、独自性のあるデザイン、思い通りの時計作りが可能になります。さらに、生産と品質管理をコントロールすることが可能になり、価格優位性の高い時計を生産することができます。

    つまり、手の届く価格帯での時計を提供するにはマニュファクチュール化を押し進めることは必然のことだったのです。

  • 1994年、世界で初めて発売されたハートビートモデル。

    世界初のハートビートと初の自社開発ムーブメントFC-910 <ハートビートの手巻きキャリバー>

    1994年、フレデリック・コンスタントは、史上初となる<ハートビート>時計を発表しました。
    この機構も機械式時計を楽しんでもらいたいとの思いから、時を刻む心臓部であるテンプの動きを見せることが目的で考案されました。12時位置の小窓から<ハートビート>を見て楽しむことができます。フレデリック・コンスタントは、瞬く間にその独創的なデザイン発想と時計製造技術で有名になりました。

    しかし、この特別な開発に特許申請を取得しなかったため、他社はすぐにハートビートの時計を作り始めたのです。そこで、ハートビートを開発した元祖のメーカーとして、フレデリック・コンスタントは2001年マニュファクチュール化を目指し始動。3年の年月をかけ、2004年、初の自社開発ムーブメントFC-910 <ハートビートの手巻きキャリバー>の開発に成功しました。6時位置にハートビートを配した独創的な設計です。

    以来、次々と複雑機構のコンプリケーションを開発。2006年に「ハートビート マニュファクチュール オートマチック」を発表。さらに2008年、時計業界の話題をさらったのは、完全自社開発のトゥールビヨン機構を搭載した「マニュファクチュール トゥールビヨン」。いずれも高いコストパフォーマンスを守り続けています。

    2004年、フレデリック・コンスタント初の自社ムーブメントによるハートビートモデル。

  • 2019年6月に完成した6,200㎡を有するフレデリック・コンスタントの工場。

    マニュファクチュールを推し進めるための工場拡張

    2006年、フレデリック・コンスタントは初めて自社製造施設を拡張する必要性を感じ、プラレワットにある延べ床面積3,200平方メートルの建物への移転を戦略的に判断しました。当地はパテック フィリップや、ヴァシュロン・コンスタンタン、ロレックスなど名門ブランドの工場が立ち並ぶジュネーブの中でもスイス製の時計製造や研究開発の重要なエリアです。この工場も、世界のあらゆる市場で高い需要が続いていることから、スペース不足が顕著になっていました。

    このため、フレデリック・コンスタント グループ本社製造施設を6,200平方メートルにまで拡張するために3,000平方メートルのスペースを増やし、様々な作業スペースを完全にレイアウトし直しました。この拡張工事には2年を要し、2019年6月に新工場が完成しました。

    1階には、お客様が「マニュファクチュール エクスペリエンス」を体験し、フレデリック・コンスタントの世界観や歴史を深く知ることができるミュージアムを設置。ヘリテージタイムピース、自社製キャリバーの製造工程、フレデリック・コンスタントを象徴するアイコニックウォッチのディテール、革新的なノウハウ、搭載されている複雑機構、スマートウォッチなどをじっくりとご覧いただけます。また、アフターサービス工房、商品開発&商品製造室、品質管理室、スマートウォッチラボが設けられています。2階は、製造時のワークフローとロジスティクスを最適化するよう再編されたT1からT4までの全工程を網羅した工房になっています。

    生産体制を整えた新工場で、マニュファクチュールブランドとして変わらぬ理念のもと魅力ある時計作りに挑戦し続けます。

    工場内にはフレデリック・コンスタントのミュージアムも併設されている。