実用面だけでなく感情的な魅力も。
シンプルで奥が深い
パワーリザーブ・インジケーター
内部の状態を伝えてくれるほとんど唯一の機構
フレデリック・コンスタントがダイヤルにオープンワークを施した「ハートビート」を製作した理由は、時計の表面からも機械式ムーブメントを楽しんでもらいたい、高品質なスイス製機械式時計を持つ喜びをより多くの人に伝えたい、という想いからでした。
そのハートビートとは異なる別のアプローチで、機械式時計ならではの愉悦を感じさせてくれる機構があります。それが「パワーリザーブ・インジケーター」です。
機械式時計が動く原理は、まずはリューズを回したり、自動巻きの場合はローターの回転によって主ぜんまいを巻き上げます。いったん巻き上げられた主ぜんまいが、今度は解けて元に戻ろうとします。その際に発生するエネルギーが歯車を動かす原動力になります。主ぜんまいがどの程度巻き上げられているかは、普通は外部から確認できません。それを文字盤に表示したのがパワーリザーブ・インジケーターです。
主ぜんまいの残量を示すという一見シンプルな機構ですが、時計の停止を未然に防ぐ、機械式時計にとっては大切な実用機構の一つです。また、時計内部の状態を伝えるほとんど唯一の機構であるため、ユーザーの方からは「時計と会話している気持ちになる」「巻き上げると命を吹き込んだ気分になる」といった声も聞かれます。ムーブメントは見えなくても、インジケーターを介して内部機構とのつながりを感じる方も少なくないようです。
クラシックだからこそ信頼の置ける選択を
フレデリック・コンスタントでは、このパワーリザーブ・インジケーターを備えた「スリムライン パワーリザーブ マニュファクチュール」を2019年に発表しました。搭載するキャリバー<FC-723>はマニュファクチュール コレクションの29番目となる自社製キャリバーで、50時間のパワーリザーブを備えていることが特徴です。そしてそのインジケーターが文字盤上の10時位置に扇形に配されています。
時計全体はクラシックを基調とした上品なデザインでまとめられています。丸みを帯びたケースフォルム、オニオン型リューズ、リーフ型針、ローマンインデックスなどの意匠に古典特有の気品が漂います。針の先端は手作業で、ガラスの丸みに合わせカーブさせ丁寧に仕上げています。さらにダイヤル内のレイアウトにも注目です。円状の日付表示(6時位置)、扇状のパワーリザーブ・インジケーター、横長のブランドロゴと、それぞれ形状が異なる要素を、バランスよく巧みに配置しました。
ケース径は日本人の手首にも程よいサイズの40mmで、ケース素材はステンレススチール、もしくはローズゴールドプレートステンレススチールの2種をラインアップ。ステンレススチールモデルは、ダイヤルがホワイト、ネイビーブルー、ブラックとバリエーションが豊富です。さらにマニュファクチュール キャリバーを搭載しながら50万円前後という良心的なプライスも特筆に値します。
クラシックとはいつの時代も廃れることなく、時代を超えて受け継がれるものです。腕時計もその例に漏れず、特にメンテナンスが必要な機械式時計を選ぶ際は、ロングタームの視点を持つことも大切です。世代を超えて使い続けたいものだからこそ、信頼の置けるマニュファクチュール・ムーブメントを選ぶというのも賢明な選択でしょう。「手の届くラグジュアリー」を理念とするフレデリック・コンスタントなら、きっとそれがかないます。